ウォータースクエアは、正しい水情報の発信と逆浸透(RO)浄水器の解説を統合した「水問題研究会」の公式サイトです!

 
 
 
           

 
 
市販の水と浄水器を検証する市販の浄水器を徹底検証

◆根強い人気を誇る浄水器
水そのものが商品であるミネラルウォーターとはちがい、水道水を浄化して飲もうというのが浄水器です。 浄水器協議会の調べでは、浄水器の普及率は全国平均でおよそ30%で、東京、大阪などの大都市では、それを上まわる40%に達しています。そうした浄水器を使用している人たちに聞くと、一様に水道水を直接飲みたくないからという明確な答えが返ってきます。
浄水器ブームが始まった1992年、国民生活センターが行った浄水器購入者へのアンケート調査の結果では、「安全性を確保するため」、「水がまずいのを改善するため」と答えた人が全体の85%弱を占めていました。これは、当時の日本の水事情がいかに国民に不安を与えていたかを反映しています。しかし、いま、同様の調査をしたとしても、おおむね似たような結果になると思えます。なぜならば、すでに多くの人たちが水道水を飲まない習慣を身に付けており、加えて、水道水への不信が依然として頭にこびりついているからです。
前にもi述べたように、東京の浄水場の水がペットポトルで売られる時代となっても、まだまだ水道水への不信感は払拭されてはいないのです。また、健康志向への高まりがいっこうに衰えをみせないことも、多くの人を浄水器に目を向けさせる大きな要因となっています。

◆浄水器にはどんなタイプがあるか
現在、市場に出回っている浄水器のタイプについて個々の特徴を紹介してみます。浄水器の外見、つまり型のうえから浄水器を分類すると次の3種類になります。

形状別タイプ説 明
舵口直結型よく見られる、蛇口の先端にそのまま取り付ける小型・軽量タイプで、全体の8割を占めます。価格は数千円~1、2万円程度。カートリッジは3カ月程度で交換します。 
据え置き型蛇口の先端と浄水器をホースでつなぎ、本体は流しの上に設置します。舵口直結型よりも処理容量が大きく、カートリッジの交換は年1回程度。価格も蛇口直結型よりも高くなります。 
アンダーシンク型もっとも大型で、容量の大きなフィルターを組み込んだ本体を流しの中などに設置します。そのために工事が必要で、価格はおおむね数万円から10万円以上します。 

以上が見た目の形状からのタイプですが、浄水器本来の役割は「安全でおいしい水」を提供することにあります。したがって、どのメーカーもその浄水方式によって、水道水を「安全でおいしい水」に変えるとPRしています。そうした点を踏まえ、浄水方式による特徴について長所・短所をふくめて紹介します。

方式別タイプ説 明
活性炭タイプ価格が安く手軽な方式で、昔からよく利用されているタイプです。活性炭は木炭、褐炭、褐炭、ヤシ殻などの原料を高温で蒸し焼きにしてつくった多孔性の炭で、塩素や異臭味を取り除くのにはたいへん効果的です。
ただし、鉄サビなどの金属、水銀やカドニウムといった重金属、それにトリハロメタンなどの溶解成分はほとんど除去できません。また、活性炭の交換をまめに行わないと能力が低下したり、雑菌が繁殖しやすくなったりします。
マイクロフィルタータイプ中が空洞になったマカロニ状の中空糸膜に代表される、ミクロン単位の細孔が無数にあいた繊維フィルターを使用したものです。濾過面積が大きく、雑菌や高分子の不純物はよく取れるますが、もっとも除去が望まれる有機塩素化合物などは取れません。
欠点としては、日詰まりを起こしやすく、器内に汚れが蓄積されてそれが逆に流れ出てきたり水量が急速に減って通水できなくなったりするため、フィルターの頻繁な交換が必要で、手間や維持コストがかかります。
イオン交換樹脂タイプ工業用の水をつくるときなどに使われるイオン交換樹脂を利用したものです。本来、水の中に溶け込んでいるミネラル(カルシウムやマグネシウム)を除去するためのもので、ヨーロッパのような硬水に対しては有効ですが、日本の軟水には不要です。
ただ、活性炭と組み合わせて、洗濯や風呂に用いるのはいいのではないかと思われます。鉄や鉛などの金属はよく取れるものの、雑菌やトリハロメタンなどは取り除けません。
セラミックタイプセラミック(陶磁器の一種)に空いている細かい穴を使って水中の不純物を除去しますが、品質にバラつきがあって、なにがどれだけ取れるかは特定できません。
逆浸透タイプ通常の濾過方式の浄水器とはまったく異なり、動植物の細胞膜に近い人工の半透膜に圧力をかけ、その逆浸透作用によって高純度の真水をつくるものです。
不純物が溶け込んだ水から水の分子だけが取り出せるため、海水から真水をつくることにも利用されています。雑菌や塩素はもとより、水銀やカドミウムなどの重金属、トリハロメタンやトリクロロエチレンといった有機塩素化合物など、ほとんどの不純物が完全に除去できます。

といったところが型、浄水方式などによる浄水器の仕分けですが、これだけの種類があると消費者の側からは、はたしてどれが効果的なのか迷うところでもあります。
要は、水中の不純物を取り除き、できるかぎり「安全な水」に近づけることに浄水器の目的はあるわけですが、浄水器がどれほど本来の役割をはたしているか、ほんとうに浄水器で「安全でおいしい水」が得られるのか、なにか問題点はないのか、そういった部分も知っておく必要があります。

◆浄水器は万能ではない
こうしてみると、現在の浄水器には、まだまだ多くの問題点が残されていることがわかります。しかも、浄水器がつくる水の「安全性」についても、完全にクリアされているとはいえません。
そして、飲み水でいちばん恐ろしいのが、トリハロメタンをはじめとする有機塩素化合物を体内に入れてしまうことです。発ガン性を持つ有機塩素化合物は、細胞の内部に侵入してDNA、いわゆる遺伝情報、生命のしくみそのものを狂わせます。そうした危険な物質に対する除去能力のない浄水器はほとんど意味をなさないといえましょう。いうなれば、市販の浄水器はわれわれが思っているほど万能ではないということです。
ある有名メーカーの浄水器の宣伝文句にこんなものがありました。
「有害な物質は完全に除去し、からだに有益なミネラル成分は残します」
これぞ、販売戦略の決め手となるうたい文句なのでしょうが、真っ赤なウソであり、物理的にありえないことです。そんな都合のいい浄水器が世の中に存在したとしたら、いま浄水器がかかえているすべての問題はたちまちにして解決することになります。有害物質を活性炭やフィルターで「完全」に取り除けるのならば、同時にミネラルも「完全」に除去されます。これは、双方の物質の粒子のサイズが同程度であることからしても当たり前のことです。
浄水器に、人体に有害か有益かといった物質を識別する能力などあるはずがありません。つまり、ミネラルが残っているということは他の不純物も残されているということです。逆の側から見れば、有害物質が完全に取り除かれた水には、当然にミネラル分も残されていないのです。
まさに上記のメーカーは、ミネラルは食物から摂取するものであることさえ知らず、水のなかの微量なミネラルにこだわる余り、非科学的なウソを土台に浄水器の販売をしているのです。そうした、少し頭を働かせればわかるような偽りの宣伝をすることはいずれ消費者に不信感をもたらし、かえって普及をさまたげることにつながっていきます。

◆浄水器に期待されるものは案外少ない
浄水器に万能はないといっても、高性能の浄水器が欲しいという人がいることも事実です。また、そうした人たちが求めているのは、まちがいなく「安全でおいしい水」であるはずです。そして、安全とおいしさのどちらに重点がおかれるかといえば、これは文句なく安全性ということになります。おいしいからといって、からだに害があるとわかっている水を飲む人は、まず、いないからです。
そこで、どのタイプの浄水器が、もっとも有害物質を除去するか、つまり、安全性が高いかを不純物の除去能力別に見てみましょう。
水道水から、これは除去したいという条件(物質)はおおむね次のようなものです。
1、塩素・カルキ臭
2、カビ臭
3、赤サビ・鉛など
4、トリハロメタン
5、トリクロロエチレン
6、TOX(トリハロメタン以外の、塩素処理によって生じる有害な有機塩素化合物)
7、細菌
8、ミネラル
最後のミネラルですが、なぜ除去する必要があるのかという疑問がわくと思います。これは、ミネラルウォーターの項でも説明したように、水からミネラルをとる必要はないということと、なにより問題なのは、4のトリハロメタンに表される有機塩素化合物の除去にあり、先に述べたようにトリハロメタンの完全除去をめざせば、当然、ミネラルも取り除かれることの参考のためです。
こういうポイントから、もう一度、タイプ別にチェックしてみます。
◇活性炭タイプ
 ■目的別浄水器の性能比較
塩素は有機物と反応しやすいため、有機物である活性炭との化学反応でたやすく除去できます。したがって、このタイプは、1の塩素と2のカビ臭は問題なく除去します。ただし、3~7にはまったく効果がなく、8のミネラルは残します。結論として、活性炭タイプは塩素と臭いの除去には有効ということになります。
◇マイクロフィルタータイプ
活性炭との組み合わせで使用した場合、効果があるのは1の塩素と2のカビ臭、7の細菌のみです。3の赤サビ・鉛などは、水に溶け込んでイオン化したものは取れません。
◇イオン交換樹脂タイプ
8のミネラル分除去のみに効果があり、3の赤サビ・鉛などは水に溶けてイオン化したものは取れますが、それ以外は取れません。
◇セラミックタイプ
濾材の孔の均一性など、製品にばらつきがあるため、1の塩素、3の赤サビ・鉛などは条件によって効果がありますが、そのほかは期待できません。
◇逆浸透タイプ
海水の淡水化などに利用される逆浸透膜を使った浄水器ですが、1~8までのすべての物質を除去します。安全性の観点からもっともにすぐれているのはこの逆浸透タイプといえますが、最近、日本でもようやく知られはじめ、これから普及していく機種といえます。アメリカではポピュラーとなっているこの逆浸透タイプについては「逆浸透システム大研究」で解説しています。
以上、一口に浄水器といっても、タイプによってその性能がまちまちであることがよくわかってもらえたと思います。

◆規制緩和が浄水器業界にもたらしたもの
数多くの浄水器が市場をにぎわせていますが、いま、水業界の動きはどうなっているのでしょう。浄水器ブームとなった1992年ころ、時をおなじくして、バブル経済の崩壊がささやかれだしていました。やがて不景気風が吹きはじめると構造改革が急務となり、時代は規制緩和をめざすようになっていきます。
浄水器も、1997年の規制緩和で水道協会の認定は不要になり、メーカーや販売店は自由に宣伝できるようになりました。それでも、大手のメーカーや心ある業者は、「行政を敵に回したくない」という思惑からか、事実上の自主規制はつづいてきたのです。
ところが、この規制緩和をいいことに、安全でおいしい水つくりを目的とした浄水器とは似て非なる、水そのものに機能を付加して売り物にする「整水器」やら「活水器」といった怪しげな水機器が息を吹き返し、続々と市場に参入してきました。おりしも、健康ブーム、グルメブーム真っ盛りであったことから、多くの人々が性能や安全性には目を向けず、健康にいいという業者のうたい文句をそのまま真に受けて、水の付加価値を主眼とした機器の購入に走りました。
しかもこれらの機器は、薬事法や訪問販売法に抵触するような悪徳商法で売られることが多く、国民生活センターなどにたくさんの苦情が持ち込まれることになります。こうした風潮がやがて水業界の常と見られるようになり、浄水器そのものがいかがわしい商品だという烙印を押されることにつながっていったのです。悪徳な水ビジネスについてはくわしく後述しますが、まともな浄水器の業界が大きなダメージを受けたことはまちがいありません。
そんな水業界の負の流れに危機感を覚えた国は、2002年、浄水器そのものを「家庭用品品質表示法」の対象に指定しました。それにより、これまではっきりしなかった浄水能力などが、統一した試験方法で表示されることとなったのです。
日本工業規格(JIS)の品質試験方法に基づき、残留塩素や濁りなど、計13項目について、除去率が80%(濁りは50%)に下がるまでに必要な総濾過流量や濾材の取り換え時期の目安などを、メーカーや業者は正しく知らせなければなりません。当初、この表示制度の導入により、少なくとも、水に怪しげな機能を付加した商品は淘汰されると期待されたのですが、どっこい、そうは問屋が卸さないのが水ビジネスの怪しくも怖いところなのです。

 
 


Copyright (C) Mizumondaikenkyukai, All rights reserved.